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いいから、学校の先生・教員は黙ってSlack使え
はい。こんにちはこんばんは。ただの元教員です。
教員の働き方改革のために、一人ひとりのモチベーションをみんなで変えよう!!とか…
刺さらないですね。その発言の効果は0(ゼロ)に等しいです。
今回の話題ですが…
報告が90%以上で2時間を超える職員会議とか、いい加減サヨナラしましょう。
働き方にイノベーションを起こしたい教員だけ最後まで読んでください。
☆変容する報告・連絡・相談
教員の雑務多すぎ!
確かに20年前と比較しても教員に求められる質と量は増大したことでしょう。生徒や保護者、ひいては教員の質もこれまでとは全く異なるのですから。
ですが、そんなことは何も教員に限ったことではありません。グローバル社会の中で「あの時のような余裕のある仕事がしたい」と願っても戻れることはありません。ガラパゴス携帯も消滅したのに等しいのが現代ですから。
そんな中、現代はVUCA(ご自身で調べてください)の時代と言われています。常に予期せぬ事態が頻発していく中で情報の共有が頻繁にないことは致命的な事態を招きます。
学校の先生の中で、会議のための会議資料を作って配ることが仕事だと思っているのかな?とこちらが思ってしまう方が割合多いように思えます。それ結果的に紙の無駄なのに…
こまめに、迅速に、的確に、チーム全体情報(問題やタスク)共有をすることが不可欠です。これができない限りは仕事の質も向上しませんし、シワ寄せられた雑務からもいっこうに解放されません。
断言します。学校の教員ほど報告・連絡・相談にはSlackを使うべきです。なぜならSlackと複雑な校務の親和性が極めて高いからです。
【効果の例】
私の場合は職員室での私宛の内線電話がほぼ消えました。対生徒、対保護者、対同僚教員において強固なコミュニケーションを構築できることを約束します。
使い方によっては新任教員の指導資料にもうってつけです。
では、以下解説です。
☆Slack(スラック)とは何か
Slackとは何でしょう。実はSlackというアメリカ合衆国に本拠地を構える会社が提供するサービスのことです。
☆Slackとは何か(先生!リベンジです!)
はい。正直よく分からないかと思います(笑)
一言でいうとビジネスに特化したチャットです。LINEグループでの会話を思い浮かべていただければ一番わかり易いでしょう。
☆SlackでなくLINEで事足りる?
LINEグループでの会話と言われた瞬間に先生方はモヤモヤした思いがあるでしょう。
・「いや、既に同期メンバーとか教科や分掌でLINEあるし」
・「保護者や生徒との部活のやりとりも今はLINEなの、あなた知らないんですか?」
・「でも実際はLINEとかいう前にガラケーの先生結構多いんですよ」
・「こういうのって結局どれも同じなんじゃな…」
そんな返答が来ることくらいこちらは百も承知です。いいですから、黙って先までよんでください。先生ですから人の話は最後まで聞きましょう。
☆SlackとLINEの最大の違い
実際の画面を見た方がイメージしやすいかと思います。画像は私が担任をしていた際に使用していた「ワークスペース」です。
見ていただければ分かると思いますが、左側に「チャンネル」という項目があり、その中には「テスト」「委員会」「行事予定」「部活動」などが整然と並んでいますね。
Slackはこの「ワークスペース」と「チャンネル」の仕組みが分かれば基本を網羅できます。
- ワークスペース・・・LINEでいうLINEグループ
- チャネル ・・・そのLINEグループの中で絞りたい話題項目
LINEグループの最大の欠点は、目的ごとにその都度グループを作らなければなりません。例えば、友達の誕生日会を企画するグループと仕事のメンバーグループ、家族のLINEグループ、それらが一つの端末(まあ大概スマホですかね)に混在することとなります。下記のような「通知が煩わしい!」という現象も頻発しますよね。
関係がこじれるかも!“正直うざい”と感じるLINEグループのあるある|「マイナビウーマン」
☆Slackのワークスペースとチャンネル
例えば、教科のワークスペースを作成する場合、みなさんであればどのようなチャネルを作成して教科内の教員に情報共有したいですか?
「年間指導計画」「小テスト」「定期テスト」「補習」などでしょうか。
このように、この話題のこの情報の共有は、オンラインのこの場所でしましょう!とした方が仕事における思考がスッキリしませんか?自分たちの業務を細分化して検証する上でもSlackでグルーピングすることは極めて重要と思えます。
☆Slackのワークスペースとチャンネル_細かい設定
Slackの大きなメリットは、そのワークスペース(大項目のグループ)を新規開設した代表(プライマリーオーナー)がチャンネル単位でこまかく機能を設定できることにあります。
また、そのチャンネルに参加している1メンバーも自由にチャンネルの設定を変更することができます。具体例を抜粋します。
- ワークスペースに参加しているメンバーからチャンネル参加者を自由に指定できる
- 希望者が参加できるチャンネルや承認のない者が閲覧ができないチャンネルを作成できる
-
チャンネルごとに通知先(PC、携帯)や通知の有無を変更することができる
また、チャンネルで意外と忘れがちになる恩恵は、たとえそのチャンネルに途中から入った参加者でも、これまでのやりとりをほぼ全て閲覧することが可能(※)という点です。これはとても有り難い。
そのため、新任教員がワークスペースに入り、先ずはこのチャンネルの仕事から始めてほしいという場合は、「これまでのやりとりを見て学んでください」と言えることになります。そのチームの文化を良い意味で保つためにも大事な機能ですね。
※無料版では直近メッセージ10,000件までの表示が可能
☆Slackのグルーピング自体が業務の精選と刷新
従来は校務分掌から人を抜粋して、本当に必要なのか分からない小委員会をたくさん作って、会議室や教室を予約して、その予約を整理する係がいて、一生懸命作成した資料を順番に机に並べて、時間をめい一杯使ってみんなで喋る、という形だったかもしれません。
そんなことやっていたら、いつまでも仕事は終わりません。
紙になって印刷されて初めて共有される情報なんて遅いのです。情報はナマモノです。可能な限りチームメンバー全員にオープンに開示すべきです。
加えて、個別に指導と面談を重ねる学校の先生が、みんなで揃って会議を幾度となく開くこと自体がありえません。上手くいっていないところは職員会議も寝てる方多いんじゃないでしょうか。
ワークスペースからチャンネルを設計することは、自分たちの業務全体を俯瞰することでもあります。ですから、チャンネルとして資料を共有し報告・連絡・相談するくらいなのであれば、わざわざ◯◯推進委員会などの会議スペースと時間をリアルに設ける必要がない訳です。
☆Slackの媒体
Slackは携帯からでも、スマホのアプリからでも、PCからでも、あるいはインターネットの各種ブラウザからも操作することができます。公立だと、校内・職員室がインターネットに繋がらないという暴力のような職場環境がまだまだあるかと思いますが、先ずは教員個人間で実践できるところまで試してはどうでしょう。
☆Slackは無料プランからビジネスプランがある
無料のプランで全く不足はありません。もう導入するしかありません。
ちなみに、教育関係の団体支援(ユーザーサポート)もSlackは行っているようです。有料版を検討しても良いですね。
◯休憩
ここまで長々Slackを学校で使用するメリットについて記述していますが、企業の業態にもよりますが、民間企業でSlackなんて珍しい話でもなんでもないんです…
でも、そのリテラシーの乖離(遅れ)が仕事へのやりがいを蝕んていることは間違いないと私は確信しています。教員だった私が思うのです。ホントです。
さあ、もう少しです。これまでの分からなかったことは自分で調べてください。
ここからはやや発展編になります。
そして、Slackの最大の強みは目次の最後にあるように「(外部サービスと)繋ぎ込みができる」点にあります。
★Slackの権限と管理
「Slackのワークスペースとチャンネル_細かい設定」でもお話したように、そのワークスペースを新規作成した人間はそのグループの「プライマリーオーナー(以下オーナー:責任者)」となります。
有料版であればオーナーはそのワークスペースの料金の支払いを行います。ありとあらゆる設定の権限をオーナーは持ちます。
プライマリーオーナーは自分の下に「オーナー」と「管理者」の役職をメンバーに権限譲渡することが可能です。
例えば、先程例示した教科会のワークスペースであれば、そのワークスペースのチャンネルの作成やメンバーの招待をプライマリーオーナーだった教科主任が一人で全て行なうことを考えてみてください。それは少々負担です。
ですから、オーナーの引き継ぎ(異動や退職)やサポートの立ち場の人間として自分の「オーナー」の権限や「管理者」の権限を譲渡できるようになっているのですね。よくできています。
★Slackと各種アプリ(外部サービス)との連携
もうグッタリですか。でも自分で手探りに調べた方がもっと大変だということを忘れずに…
Slackがビジネスチャットコミュニケーションツールとして評価が高い最大の理由は他の外部サービスと連携させることも可能だからです。
先ずはこちらの動画を御覧ください。英語ですが、雰囲気で理解して頂ければ幸いです。
Connect Google Calendar to Slack Automatically: How to Create an Integration & Reminders in Slack
お分かりいただけたでしょうか。
本来Google CalendarはGoogle社が提供している、Slackとは全く異なる製品です。そのはずが、Google Calendarに登録した予定の情報がSlackのメッセージとして通知されます。
Twitterではどうでしょうか。私はオフィシャルな部活用のTwitterアカウントと、部活動の部員、部活動の保護者のワークスペースのチャンネルに連動させていました。
大会情報を広報係の部員が原稿メッセージを私に送り、Tweetを発信するとたちまち生徒本人らも保護者も反応を示してくれます。
こういったことは本来立ち話や本人を介して行なうべきでしょう。しかし、先程も述べた通り、情報はナマモノです。厄介事になるようなことでない限りはなるべく早めに共有する方がお互いのためでしょう。勿論、管理職や上長の許可はないとダメです。
外部サービスとの連携についてはこちらのサイトを御覧ください。
最後に
Slack導入します!と言っていただければ幸いです。
Slackに固執してるわけではなく、具体的に解決意識を持つことが大切です。
ただ、学校の先生はITの話をするとおおよそ次のように言います。
へー。どうやって使うの?教えて?
イノベーターになりたい貴方。その言葉は禁句です。自分で調べてください。
先生、「俺(私)"パソコン"苦手だから!ごめんね!」とタスクから逃げるの、今すぐやめてください。実はあなたが本当に苦手なのは、勉強することです。同僚とその先の子どもの未来を奪っています。#教員 #働き方改革 #学習 #スタンス
— 教員から民間企業へ転職した私 (@sense_2ndcareer) 2019年8月23日
現役の際は嫌というほどこの言葉と闘いました。腹の底では「いやいや、キーワード提示したんだから先ずは自分で調べて…」という気持ちが拭えなかったです。細かい操作や設定の相談などは喜んで協力しますよ?今はどうかな…
ツールは自分で使ってみる以外に勉強できません。自転車の乗り方を長々と説明されて立ち漕ぎができるようになるのでしょうか。
骨のある人が、一人が十人、十人が百人になることを願っています。では、またいずれ。