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私が教員を辞めた理由①
こんばんは。元教員です。今回は私が学校の教員を辞めようと決断したきっかけをお伝えします。
挑戦の転職
決して教員という仕事が辛かったから辞めた訳ではありません。大勢の子どもを相手にしている方々を今でも大変だな、とは思います。
ただ、ある時から、学校の教員でいることに魅力を感じなくなってしまいました。
広告代理店 × 教員
当時、学生の頃から通っていた地元のバーである大手広告代理店の男性とお知り合いになりました。ちょっと年上のお兄さん的な存在です。
一般的に考えて、かなり異色な組み合わせです。双方の立ち場を考えると、なかなか接点を持つ人間同士ではないかと思います。
影響力の大きな方です。結果的に自分が転職したという点で言えば、これも一つの大きなご縁であることは間違いないです。
教員は特別なのか
そのお店で何度も彼と楽しくお話をしてきました。
私も仕事の愚痴をこぼすこともありました。
最近学校が、教員が、どれだけ大変なのか云々。
ある時でしょうか。一通り話を聞いた彼がサラッと言ったことが
学校の先生?だから何?
大変なんだー へー
その日ほど彼に腹を立てたことはありません。
この人はなんて世間知らずなんだ!薄情者め!
という感情を抱いたこと、今でも覚えています。
先生!と呼ばれること
一方で、教員のみなさんは誰しも経験があると思いますが、外の飲食店等でみなさんは何と呼ばれていますか。
そう呼ばないでください、とお願いする方も多いかと思いますが、「先生!」と呼ばれる方もいるのではないでしょうか。
昨今、学校や教員の問題を取り上げる報道が増えたこともあって、こんな会話も多いかと思います。
「お仕事は何されてるんですかー?」
「あ、学校の教員なんです…。」
「へー!凄いですねー!」
「いやいや、そうでもないですよ。ふつうです。」
「中学校ですか?高校ですか?それとも小学校?」
「えー、◯学校なんです。」
「そうですかー、大変ですよねー」
別に自分はそんなに凄くもなく、大変でもない。なんとなく自惚れたくないなと思っていたつもりでした。
ただ、いざ「先生?だから何?」とまで言われると無性に腹が立ちました。今思えば、それが自分の本心だったのでしょう。
どこかで自分は社会的に評価されるべき凄い仕事をしていると心の底で思っていました。巷で言うところの「教員はプライドが高い」というところは、まさにここから来ている習性なのだと思います。
学校の先生で、とりわけ男性の方で思い当たる節があれば下記のようなサイトをご覧になっても良いでしょう。もう年齢的に手遅れな方も多いかと思いますが。
折られる経験
その方に吐露したことでもありますが、教員はかなり特殊な環境下で仕事をしています。
端的に言うと、余程の服務規定違反でもしない限りは怒られる、上司に詰められるということがほとんどありません。
企業の場合は稼ぐことが最大の目的で、中途半端なことをすれば会社としての存続に関わります。そこに妥協はありません。目的を果たすため、泥臭く、工夫することを惜しみません。
対して、教員は「なぜ結果を出せないのか」と詰問されることは、特に公立学校の場合はまずありません。あっても、同僚からのやっかみ程度です。
上の立ち場で子どもに指示することが日常である教員は、結果を出せない不甲斐なさから折られるという経験・耐性が圧倒的に不足しています。
大変な仕事は他に山ほどある
教員という職は確かに大変です。世間からのおよその評価はそういうものです。
ですが、大変な仕事は他にいくらでもあります。それは雇用形態がブラックかホワイトかという次元ではありません。問題は働く質の話です。
学校辞めて良かったこと。給料と仕事への文句を言う人間にそうそう会わない。#教員 #働き方 #給特法 #残業 #市場価値 #当事者意識
— 教員から民間企業へ転職した私 (@sense_2ndcareer) 2019年8月31日
自分が教員でいる価値を探す
大変なのは自分だけではない、ということが腑に落ちるようになってから、教員という仕事が何倍にも楽しくなりました。それだけ慌ただしく、忙しくもなりました。
それは、なぜ自分が教員でなければならないのか、という価値を探すことにシフトできたことにあります。
私の場合は一人でも子どもに寄り添う時間を確保するために、できる校務削減に勤しむことでした。具体的な方法については今後書いて参ります。
もっとハードな環境へ
今先生方の目の前にいる子どもたちの大半は教員になることはありません。
先生方が全く知ることのない世界へ旅立ちます。
私は、子どもたちに未来の可能性について語るのであれば、相応の責任を持って向き合いたいと思うようになりました。
また、教えるのでなく、自分が外の世界でどれだけ通用するのかということを確かめてみたくなりました。これが大きな転職理由です。
とりあえず人の話は素直に聞きましょう
私の転職は、教員の中で言えば極めて特殊です。
それは、転職エージェントでもなく、同僚でもなく、優しい聞こえのいい言葉を並べる人とは全く異なるタイプの人間と出会えたことにあります。
もしかすると、みなさんも教員として活躍しながら、すでにそんな方々に出会っているのかもしれません。どうかそのご縁を大切に。またとない運とタイミングです。
覚悟もなく転職はしてはいけない
今の仕事がただ辛いという理由だけで転職することをオススメしません。
とりわけ、全く畑の異なる民間企業へ進むのであれば、膨大な準備と覚悟が必要です。
雇う方も、全くの未経験の第2新卒以上を雇うのもリスクでしかありません。
本当に辛い!と仕事への理想を訴え、高みを目指して転職する教員が、それ以上に酷な現実に直面するという事実をほとんどの人は忠告してくれない。#教員 #転職 #働き方改革
— 教員から民間企業へ転職した私 (@sense_2ndcareer) 2019年8月24日
案外、そのまま先生でいた方が結果的に幸せということも考えられます。
一人でも甘い言葉と思い込みに囚われず、目の前のことに精一杯取り組まれること、それを願ってやみません。
次回、私が教員を辞めた理由②へ続く